字通【同訓異字】

はかりごと
 策(筴)  猶(〓 〓   〓  
略は経略・領略のように、多く土地の経営・支配に関していう。各(かく)は格、神の降格を迎える意であろう。略・掠liakは同声、掠(りやく)とは奪取することをいう。策(筴)(さく)は〔説文〕五上に「馬の〓(むち)なり」とあり、鞭(むち)をいう。冊命(さくめい)・作冊(さくさく)の意に用い、簡策の意よりして策謀の意となる。智の初形は矢・干と曰とに従う。矢・干は誓約に用いるもので、曰はその誓約の器。神に誓い、神明の智によることをいう。〓〓(ゆう)は同字。〓(酉)(ゆう)は繹酒(えきしゆ)、犬は犬牲、これを〓えて神意を承けるので、〔毛公鼎〕「我が〓の小大〓(せうだいいう)」のように、国の大事に関する謀議をいう。算は計算・計略。謀の初文は某(ぼう)。周公の子伯禽(はくきん)の器である〔禽鼎〕に「〓〓(はか)り、禽〓(いの)る」という語がある。某は曰と木。木の枝先に祝告の器(曰)を著けて神意に咨(はか)ること。〔詩、周頌、訪落〕の序に「嗣王、〓に謀るなり」とあり、「〓に謀る」というのが字の初義である。〓(ちゆう)は卜の占〓の辞。これによってことを定める。籌(ちゆう)は数とり。籌算の意から、籌策・計謀の意となった。

同訓異字一覧