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両生綱有尾目サンショウウオ科のサンショウウオ。滋賀県、三重県以西の本州、および香川、徳島、福岡、佐賀、長崎、熊本各県の丘陵地や山沿いの低地に生息する。背面は暗褐色から黄褐色で微小な黒斑(こくはん)が散在し、腹面は淡色をしている。尾の上下縁に顕著な黄条がある。全長7~11センチメートル。1~3月に止水中に産卵する。雌が水中の枝や石に卵嚢(らんのう)の一端を付着して産卵を始めると、周囲にいた雄が卵嚢に抱きつくようにして授精する。卵嚢は1対で螺旋(らせん)状に巻き、卵数は200個前後。産卵期以外は森林や竹やぶの中で小動物を食べて生活する。関東、東海地方には亜種トウキョウサンショウウオH. n. tokyoensisが分布する。
2022年(令和4)、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)で特定第二種国内希少野生動植物種に指定され、販売や頒布を目的とした捕獲や譲渡などは原則禁止されている。