硬骨魚綱ヒメ目ナガアオメエソ科に属する海水魚。九州・パラオ海嶺(かいれい)、天皇海山列周辺海域に分布する。体は細長く、およそ円筒形。胸びれの基部付近の高さと幅はほとんど等しく、尾部で側扁(そくへん)する。頭部の外郭はゆるく湾曲する。吻(ふん)は短くて、吻端は上から見ると先端部を切り取ったように直線状。目は著しく大きくて、楕円(だえん)形で高位にあり、背側面を向く。眼径は吻長より大きい。両眼間隔域は狭く、わずかにくぼむ。口はやや斜めに開き、上顎(じょうがく)の後端は瞳孔(どうこう)の前縁下付近に達する。下顎の先端は上顎より前に出る。上下両顎、鋤骨(じょこつ)(頭蓋(とうがい)床の最前端にある骨)、口蓋骨および舌上に小さい歯がある。舌上の歯は1列で犬歯状。鰓弓(さいきゅう)の下枝に22~24本の鰓耙(さいは)がある。体は大きい円鱗(えんりん)で覆われる。頬(ほお)に2列、背びれの前に1~2枚の鱗(うろこ)があるが、それ以外は無鱗。側線は体の中央部をほとんどまっすぐに走る。側線有孔鱗数は44~46枚、側線上方鱗と下方鱗はそれぞれ2.5枚。背びれの起部は胸びれと腹びれの両基底(付け根の部分)の間にある。背びれは11~12軟条で、第2~3軟条は糸状に伸び、雄では倒すと先端が脂(あぶら)びれ(背びれの後方にある1個の肉質の小さいひれ)の後方を越えるが、雌では脂びれまで達しない。脂びれは臀(しり)びれの第7~9軟条の上方にある。胸びれは長いが、頭長よりやや短く、背びれの基底後端を越える。腹びれ起部は背びれ基底の前3分の1下方にあり、胸びれより著しく短い。尾びれは深く二叉(にさ)する。体は淡灰色で、鰓蓋部は銀白色。喉部(こうぶ)には暗色斑(はん)がある。体側面に沿って銀白色帯が走り、そこに5~6個の黒斑が1列に並ぶ。雄では背びれと尾びれの縁辺は黒く、腹びれの内側の軟条は暗色。雌では背びれの黒色部の幅は狭く、尾びれの下葉と腹びれの内側の軟条は白色。水深270~450メートルにすみ、まれに底引網で漁獲される。最大体長は12.5センチメートルになる。
本種はモンアオメエソP. japonicusに似るが、モンアオメエソは背びれ軟条が伸長せず、尾びれの後縁が淡色で、喉部にある黒斑が薄いことで本種と異なる。