世界各地で対人地雷廃絶運動を展開する非政府組織(NGO)の連合体。略称ICBL。「地雷の製造・貯蔵・使用・移譲などを全面禁止する対人地雷禁止条約」(オタワ条約)の採択に主導的役割を果たした功績で、1997年のノーベル平和賞を受賞した。受賞は同キャンペーン代表であったアメリカ人市民運動家ジョディ・ウィリアムズとの共同受賞である。
「アメリカ・ベトナム戦争退役軍人財団」「地雷顧問団(MAG)」「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」「ハンディキャップ・インターナショナル(現、ヒューマニティ&インクルージョン)」「人権のための医師団」「メディコ・インターナショナル」の六つの非政府組織によって1992年、対人地雷全廃に向けた国際世論を喚起するため結成された。本部をスイスのジュネーブに置く。2011年にはクラスター爆弾の保有・使用の禁止を目ざすNGOネットワーク「クラスター兵器連合」(CMC:Cluster Munition Coalition)と統合しており、世界の約100か国、1000を超える非政府組織が加盟している。1999年のオタワ条約発効を機に、地雷禁止国際キャンペーンは毎年、世界の地雷被害状況などをまとめた年次報告書「地雷モニター(Landmine Monitor)」を公表している。同報告によれば、世界の地雷や不発弾による死傷者数は、記録をとり始めた1999年(9807人)をピークに、2013年には年間3000人台まで減少したが、2015年以降増勢に転じ、2023年の死傷者数は5757人(うち7割強が一般市民、その3割強が子ども)と、高止まり状況にある。内戦・紛争下のミャンマー、シリア、アフガニスタン、ナイジェリアなどに加え、ロシアが侵攻したウクライナなどで新たな地雷敷設が止まらず、オタワ条約未加盟のアメリカ、ロシア、中国、イラン、北朝鮮だけでなく、加盟しているウクライナ、ナイジェリアなどでの製造・使用も増えている。このため地雷禁止国際キャンペーンは過去に埋設された地雷の早期撤去や子どもへの対地雷教育だけでなく、オタワ条約加盟国による条約の順守や未加盟国への条約加盟を働きかけている。