硬骨魚綱ヒメ目エソ科に属する海水魚。相模(さがみ)湾から豊後(ぶんご)水道にかけての太平洋沿岸、石川県から長崎県にかけての日本海沿岸、東シナ海、台湾の海域に分布する。体は細長い紡錘形で、頭部はいくぶん縦扁(じゅうへん)し、尾部はわずかに側扁する。吻(ふん)はとがり、長さと幅がほとんど等しい。前鼻孔(ぜんびこう)に長くて幅広い皮弁(皮質突起)があり、中央部でもっとも広い。皮弁を前に倒すと鼻孔の縁を越える。上顎(じょうがく)前端は下顎前端とほとんど同位置。上顎長は眼後長(目の後縁から鰓孔(さいこう)までの長さ)におよそ等しい。上顎の歯は2列で、外列歯は内列歯より小さい。下顎歯は3列。口蓋(こうがい)部の歯は細長いV字状で、2~4列(ほとんどは3列)に並ぶ。前部の歯はいくぶん大きく、不連続歯群を形成する。舌上に30本ほどの小歯がある。体、頬(ほお)、鰓蓋(さいがい)は大きい円鱗(えんりん)で覆われる。側線鱗は55~56枚で、側線上方横列鱗数は3.5枚。背びれは10~12軟条(多くは11軟条)、臀(しり)びれは8~10軟条。背びれ基底長(付け根の部分の長さ)は頭長の50%以下、臀びれ基底長は背びれ基底長の約75~85%。胸びれは短く、背びれ起部と腹びれ起部を結ぶ線に達しない。腹びれの内側の軟条は外側の軟条よりも明瞭(めいりょう)に長く、先端は背びれ基底後端下を越える。体は背方が灰色がかった赤褐色で、腹方が白色を帯びる。背側面に9個の鞍状暗色斑(あんじょうあんしょくはん)がある。仔稚魚(しちぎょ)には明瞭な10~13個の腹腔(ふくこう)色素斑がある。水深75~120メートルの砂地にすみ、全長30センチメートルに達する。トロール網、釣りで漁獲される。肉は白身で、練り製品の原料にされる。