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昆虫綱鱗翅(りんし)目フクロウチョウ科に属するチョウの総称。中・南アメリカの特産で、スチッケルの分類(1909)によれば11属74種を含む。東洋の熱帯地域に分布するワモンチョウ科に近い仲間である。大形種が多く、後ろばね裏面に大形の眼状紋があり、一見フクロウの顔に似るのでこの名がある(和名は英名の直訳)。しかし、この科のすべての種に顕著な眼状紋があるわけではなく、これを欠く種もある。この大きな眼状紋は捕食者の鳥や獣を驚かせて難を免れる効用があるという。ミイロタテハが日中の日盛りに活動するのと対照的に、フクロウチョウの仲間は薄明かりのころ、早朝よりもとくに夕暮れに活動し、樹幹に下向きに止まってはねを開閉すると、眼状紋をもつはねはフクロウの顔とそっくりにみえるという。幼虫の食草はバナナ、ヤシの類である。