硬骨魚綱ワニトカゲギス目ヨコエソ科に属する海水魚。北海道から南西諸島までの太平洋沖、小笠原(おがさわら)諸島近海、南シナ海中部から東北部など太平洋、インド洋、大西洋の熱帯から温帯の海域に広く分布する。体は細長く側扁(そくへん)する。目は小さく、頭部の先端近くに位置する。口は大きく、上顎(じょうがく)の後端は目のはるか後方に達する。上顎におよそ等しい大きさの短い歯が1列に密に並び、後方に向かってだんだんと大きくなる。鰓弓(さいきゅう)には上枝に8~9本、下枝に11~13本、その間に2本、あわせて21~24本の鰓耙(さいは)がある。下枝の前部の鰓葉の幅は狭い。下顎縫合部には発光器(縫合発光器)がない。胸びれの基底(付け根の部分)上端付近から肛門(こうもん)の上方にある発光器(体側発光器)は8~9個で、一番後ろの発光器は腹びれ基底の後方に位置する。尾柄(びへい)の上部と下部に発光腺(せん)があり、ほとんど同長。背びれと臀(しり)びれの起部は同じ垂直線上から始まる。臀びれの基底長は短くて、背びれの基底長の2倍以下。脂(あぶら)びれ(背びれの後方にある1個の肉質の小さいひれ)はない。体は一様に灰褐色で、他種では鱗(うろこ)が落ちた後に鱗を覆っていた網目状の皮が残るが、本種にはそれがみられない。腹部は黒い。臀びれ起部の前部は透明であるが、ときどき色素胞が散らばる。水深400~1200メートルの中深層~漸深層を、大群でほとんど遊泳しないで浮遊生活をしている。体長は最大でも6センチメートルくらいにしかならない小形種。
本種はオニハダカ属のなかの、体色が白色から灰褐色のグループに属する。同グループのユキオニハダカC. albaは体色が白色または灰白色で、鰓弓の上枝と下枝の間の鰓耙が1本であることで本種とは異なる。他方、体色が灰褐色で、鰓弓の上枝と下枝の間に2本の鰓耙があることでハイイロオニハダカC. pseudopallidaに似るが、ハイイロオニハダカは鰓耙が上枝に6~7本、下枝に10~11本と少なく、鰓弓の下枝前部の鰓葉の幅が広いことなどで本種と区別できる。