字通【同訓異字】

おくる
送(〓 帰(歸)   〓 伝(傳) 遺(〓 〓 輸(〓 〓 贈(〓    
〓〓(そう)声、〓は両手でものを奉ずる形。盤にのせて送るので〓〓(よう)といい、〓〓(よう)などはその形に従う。帰の旧字は歸。〓(し)は出征のとき受ける祭肉。凱旋したときにはその肉を寝〓(帚)に返還した。卜文の歸は〓と帚とに従い、帚は寝〓の意。出入ともに〓肉を奉ずるので、「おくる」「かえる」意がある。詒(い)は台(い)声。台は以(い)で、以には与える意がある。言を以てするを詒、財を以てするを貽(い)という。〓(きよう)は兄声。兄は祝告を奉じて舞う形。その舞袖に呪飾をつけた字があり、〓(おく)る意に用いる。〓には、おくる意と、たまう意とがある。傳の原義は伝棄。祓いものを負うて追放する意であるが、のち伝逓・伝送の意となる。【うつす・うつる】の条参照。〓は貴(き)声、貴は貝貨を奉ずる形。弔葬のためにするものを〓という。〓は輸送。これより彼に致すを〓という。【いたす】の条参照。財貨をおくることを〓〓・齎(せい)といい、食事をおくることを餽・饋(き)という。