字通【同訓異字】

ただす
  糾(〓   〓   縄(繩) 
(いん)は呪杖をもつ形。古く女君が巫祝王であった時代があり、呪杖をもって君臨した。君とは女君をいう。匡は〓(きよう)声で、匡の初文は〓に従う。〓は王の儀器である王(鉞頭の形)の上に之(趾(あし))をふれ、その呪器の霊力を承けて征伐に出行した。匡正のために伐つので、匡とは出行の際の儀礼をいう字であろう。金文に「〓命を〓(あき)らかにす」「天子の〓(けんめい)〓らかにす」のように、ことを明徴にすることが原義であった。〓(きゆう)は糾正。糾縄(きゆうじよう)のように用い、いましめて正すことをいう。訂(てい)は〔説文〕三上に「〓議するなり」とする。議定の意であるが、のち文章を校訂する意に用いる。幹(かん)は幹木、版築の両端に立てる木。その枠(わく)の中に土を盛り、版築を行う。樞幹を正す意がある。〓(とう)は重声。振〓をまた振動という。動は重(〓(ふくろ)の形)に入れたものを、ゆり動かして収まりをよくする意。〓は振動することをいう字であろう。督(とく)は叔声。叔は〓(まさかり)で、〓は軍の指揮権を示す。指揮〓督することをいう。監は監修。臨と字形が近く、上より臨み見ることをいう。監は皿(盤水)の上に顔を映しみる形で、鑑(かん)の初文。のち人を監督する意となる。繩は墨縄(すみなわ)。工作のときに、曲直を定めるのに用い、動詞としても用いる。

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