世界国勢図会

はじめに、新型コロナウイルス感染症により被害にあわれた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。また、厳しい状況のなかで対応に当たられている医療関係者の皆様に、感謝と敬意を表します。

感染症によって、世界全体で394万人が亡くなりました（2021年6月末現在）。また、感染拡大防止のために人やモノの流れが止まり、経済活動が停滞しました。感染拡大防止と経済活動の両立が模索されていますが、対人サービス業を中心に回復が遅れる一方、巣ごもりやテレワーク需要などで好調な業種もあり、コロナの影響には偏りがあります。世界でワクチン接種が進んでいますが、国により取り組みに差があります。変異株の発生を防ぐためにも、ワクチン格差の解消に努めて、世界全体の感染者を減少することが求められています。

本書は、昭和2年（1927年）に矢野恒太* が発刊した統計データブック『日本国勢図会』に掲載していた国際統計を拡充して、昭和60年（1985年）より刊行を開始しました。以来、国際機関や官公庁、業界団体や調査会社などのご協力を得ながら内容の充実に努め、今日に至っています。

本年版では、新型コロナウイルス感染症の影響がさまざまな図表に表れています。国際統計では国別比較が難しいものもありますが、本書が日本と世界のあらましを考察する一助となれば幸いです。

刊行にあたり、ご協力いただいた方々に深く感謝の意を表します。