文法項目を大きく24の章に分け,これをさらに72の節に区分し,各節に合計395の大項目(§)を置いた。章の配列は,まず文について解説した後,主部の中心となる名詞とそれに付随する冠詞,代名詞・疑問詞を取り上げ,修飾語となる形容詞・副詞とそれに関連する比較をまとめて示した。
次に文法上最も重要といえる動詞に関するものをまとめて並べた。すなわち,動詞・時制・助動詞・不定詞・分詞・動名詞・法・態などである。次いで,節や語句のつながりを担う接続詞・関係詞・前置詞などについて解説をしてから,英文の特性である,一致,時制の一致と話法,否定,倒置・省略・強調・挿入などを扱い,最後に文の転換で全体をまとめる形をとった。
こうすることによって,日本人に苦手な冠詞や前置詞などについても,名詞・代名詞などとともに,類書にない詳しい解説ができたので,どこを読んでも,英文法としての必要な事項はほとんどすべて解決できると思う。
◆ スピーチ・レベルは次のように表示してある。
《英》《米》《主に英》《主に米》― 地域表示
《口語調》《口語的》 ― くだけた言い方
《文語調》《文語的》 ― 堅い,改まった言い方
これに「書き言葉」「話し言葉」〔丁寧〕その他の説明を加えてある。
◆ かっこ記号には4種類あり,それぞれ次のように使っている。
( )― 省略可能
[ ]― 言い換え可能
〈 〉― 公式的な英文語句・構文
〔 〕― 日本語の解説
◆ ⇒ ―― 相互参照。概説から詳細へを原則にしてある。
◆ 【 】 ―― 各慣用表現の談話機能は,文末に【 】で示した。すべての機能を簡潔な用語で示すことはかえって不正確になるので,大まかな分類をして,具体的な使われ方などについては,各用例文ごとに解説をほどこしてある。
◆ 名詞表現 ―― 英語特有の名詞化変形をした形に特につけてある。名詞構文ともいわれるものであるが,特に決まった文法用語ではない。
◆ 〔正〕〔誤〕 ―― 基礎的な事項で,正誤のはっきりしているものを示した。なお,本文その他の解説における,ある語法についての正否の判断は,原則として,よく知られている最新の英米の辞書,文法・語法書を可能な限り調べて,その大勢を占めているものを基に,コーパスで実際に検索して確認した上で, Petersen 氏ならびに数名の英米の言語専門学者にも問い合わせて最終的な判断をした。コーパスやインターネット上に見られる各種の英文はもとより,一般のネイティブスピーカーの発言も,大いに参考にはしたが,それを直ちにそのまま正用として記述することは避けた。
「~がふつう」「非標準」「~はまれ」などの注釈は,これらの参考の結果の表記である。読解や耳で聞く英語のことを考えて,現実に見られるさまざまな言い方を幅広く紹介しつつも,こうした表記をしたのは,話したり書いたりする場合は標準英語を使うべきだと考えるからである。(入試などでは《くだけた言い方》もまだ誤りとされることがある)言語の性質から断定は避けたが,本書の目的を考えて,あいまいにならないよう指針はきちんと示した。なお,文中の語句の正誤は[× ]で注意してある。
◆ 解説内容による段階
◆付録
◆[索引] ―― 英文法辞典としての役割も考えて,相当詳しくつけてある。
◆主要参考文献一覧
特に今回の改訂に当たって参考にしたものを記したが,やや古いものでも内容確認のため再度参照したものは紙面の許す範囲で再掲してある。