NHK大河ドラマ「光る君へ」特集
ジャパンナレッジは約1900冊以上の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書」サービスです。
➞ジャパンナレッジについて詳しく見る
  1. トップページ
  2. >
  3. カテゴリ一覧
  4. >
  5. 歴史
  6. >
  7. 歴史文化
  8. >
  9. 昔の暮らし・仕事
  10. >
  11. 沙汰

沙汰

ジャパンナレッジで閲覧できる『沙汰』の日本国語大辞典・全文全訳古語辞典・国史大辞典のサンプルページ

日本国語大辞典

さ‐た 【沙汰

解説・用例

〔名〕

(「沙」はすな、「汰」はえらび分けるの意)

(1)水中でゆすって砂の中から砂金や米などをえり分けること。転じて、物、人物の精粗をえり分けること。淘汰。

*西洋聞見録〔1869~71〕〈村田文夫〉後・二「一泓池(ためいけ)を造り、其傍にて沙汰瀘過する処置を設け」

*蜀志‐許靖伝「天下之士、沙〓汰穢濁〓、顕〓抜幽滞〓

(2)物事の是非をえらび分けて正しく処理すること。始末すること。処置すること。

(イ)政治上の処理。政務のとりさばき。

*続日本紀‐延暦五年〔786〕四月一一日庚午「所司〓〓沙汰、明作〓条例〓奏聞〓

*栄花物語〔1028~92頃〕煙の後「後冷泉院の末の世には、宇治殿入り居(ゐ)させ給て、世のさたもせさせ給はず」

*今昔物語集〔1120頃か〕一六・七「若狭の国に可沙汰(さたすべ)き事有て行く也けり」

*平家物語〔13C前〕三・行隆之沙汰「今は出仕し給へ。官途の事も申し沙汰仕るべし」

*入来院家文書‐建武四年〔1337〕二月一二日・足利直義御判御教書「於〓恩賞〓者、追可〓〓沙汰〓

(ロ)知行すること。庄務を行なうこと。

*龍造寺文書‐文治二年〔1186〕八月九日・源頼朝下文「右件所者、藤原季家依〓相伝之由緒〓、給〓府宣〓〓沙汰〓之処、為〓神崎郡住人海六大夫重実〓〓〓之」

*壬生新写古文書‐承元元年〔1207〕一二月日・鎌倉将軍家下知状「凡地頭庄務間事、所詮任〓前地頭時貞法師之例〓、可〓〓沙汰〓

*入来院家文書‐建長四年〔1252〕六月三〇日・関東裁許状案「吉枝名下地者、先例為〓地頭進止〓之間、前地頭上総介跡、六十余年無〓沙汰〓

(ハ)年貢諸役をとりたてること。また、それを納入すること。

*東寺百合文書‐は・弘安二年〔1279〕三月一八日・平成近請文(大日本古文書一・七)「右件御年貢は、今年八月内にけたいなく沙汰しつかまつり候へく候」

*入来院家文書‐貞和五年〔1349〕六月二三日・渋谷重勝置文「諸公事任〓先例〓そのさたをいたすへし云々」

*東寺百合文書‐ち・永享三年〔1431〕九月二九日・廿一口方評定引付(大日本古文書三・八)「諸庄薗段銭之事、厳密可〓〓懸也、此段去年雖〓〓治定〓。于〓今無〓沙汰〓

(ニ)弁償すること。支払うこと。負債等を分担すること。

*御成敗式目〔1232〕五条「犯用之条若無〓〓遁者、任〓員数〓〓弁償〓之、但於〓少分〓者早速可〓〓沙汰〓、至〓于過分〓者三个年中可〓弁済〓也」

*山科家礼記‐文明二年〔1470〕一〇月一一日「今夕汁在〓之、佐渡守・藤左衛門出来、佐渡守汁沙汰巡仕候也」

(ホ)とりたてて行なうこと。考えて取り計らうこと。

*梁塵秘抄口伝集〔12C後〕一〇「鳥羽院崩(かく)れさせ給て、物騒がしき事ありて、あさましき事出で来て、今様沙汰も無かりしに」

*徒然草〔1331頃〕九一「赤舌日といふ事、陰陽道には沙汰なき事なり」

*連理秘抄〔1349〕「賦物は昔よりしつけたる事なれば、尤も沙汰すべし」

*こんてむつすむん地〔1610〕一・八「しゃうぢきなる人にまじはり、善事のたよりとなる事をさたせよ」

*吾輩は猫である〔1905~06〕〈夏目漱石〉六「本気の沙汰とも思はれない事を本気の沙汰らしく云ふ」

(ヘ)殺すこと。成敗すること。

*大乗院寺社雑事記‐長祿二年〔1458〕一〇月四日「一昨日畠山・遊佐、於〓八幡〓て細川披官人を沙汰云々。仍令〓腹立〓〓細川〓畠山に可〓〓所存〓云々」

*大乗院寺社雑事記‐文明一一年〔1479〕一一月八日「昨日於〓畠山屋形〓甲斐庄〈廿五歳云々〉被〓沙汰〓了」

*大乗院寺社雑事記‐明応五年〔1496〕二月一六日「唐橋宰相於〓九条御所〓前関白殿手自御沙汰

(3)物事の是非や善悪などをとりさばくこと。

(イ)裁判。訴訟。公事。

*今昔物語集〔1120頃か〕三一・二四「中〓、風〓(おこり)たりと云て、沙汰(さた)の庭に不出ざりければ」

*太平記〔14C後〕三五・北野通夜事「或時徳宗領に沙汰出来て、地下の公文と、相模守と訴陳に番(つがふ)事あり」

*御伽草子・さいき〔室町末〕「一族に所領をとられ、京都へ上りさたするといへども、さらにみちゆかずして、年月を送れどもかひなし」

(ロ)問題として論議すること。検討。評議。

*中右記‐永長元年〔1096〕正月一〇日「明日行幸御出方角沙汰也、明日太伯神在〓東、然者可〓〓〓西陣〓歟」

*一枚起請文〔1212頃〕「もろこし我がてうにもろもろの智者達のさたし申さるる観念の念にも非ず」

*史記抄〔1477〕九・呉太伯世家第一「呉音漢音の沙汰は呉漢軽清燕趙重濁と云ふは国を以て云ふぞ」

*こんてむつすむん地〔1610〕一・三「がくしゃうのさたするむつかしきがくもんは、なげきても又なにかせん」

(ハ)論議される点。教理。

*増鏡〔1368~76頃〕八・あすか川「ある時は止観の談義、ある時は真言の深きさた、浄土の宗旨などを尋ねさせ給つつ」

(4)情報を与えること。

(イ)決裁されたことについての指令。指図。命令。下知。

*本朝文粋〔1060頃〕七・申犯平頭及第不及第并犯蜂腰落第例等状〈紀斉名〉「方今係綸不〓〓諸儒〓沙汰独在〓少臣〓

*今鏡〔1170〕三・虫の音「とばなんどをもよろづ女院の御ままとのみさたしをかせ給へれど」

*たまきはる〔1219〕「ぢゃうばんの女ぼう廿人ばかりは、みのさうぞく、ほかいなどまで、みなかみより御さたあり」

*金刀比羅本保元物語〔1220頃か〕下・新院御経沈めの事「其後御所は国司秀行が沙汰(サタ)として、当国四度郡直嶋と云ふ所に作り奉る」

*御成敗式目〔1232〕一条「加〓修理〓若及〓大破〓、言〓上子細〓、随〓于其左右〓〓〓沙汰〓矣」

*浮世草子・けいせい伝受紙子〔1710〕一・三「尤罪科かろからず、重て御沙汰(サタ)あるべし」

(ロ)報知。報告。通知。消息。たより。また、吹聴すること。

*宇治拾遺物語〔1221頃〕一・三「いまより、此翁、かやうの御あそびに、かならず参れといふ。翁申すやう、沙汰に及び候はず、参り候べし」

*浮世草子・傾城色三味線〔1701〕大坂・四「此十兵衛殿などにも、沙汰御無用に候」

*浄瑠璃・平家女護島〔1719〕四「病気のさはり入道殿へはさた御無用」

*随筆・独寝〔1724頃〕下・一〇一「色のあかふて親なんどのしかりなば、宜しくさたしてやらん」

*滑稽本・東海道中膝栗毛‐発端〔1814〕「コレいも七、持参金のさたがないがどふする」

(ハ)話題にすること。評判。うわさ。

*梁塵秘抄口伝集〔12C後〕一〇「後に、賀茂の者どもさたすと、資賢語りしにぞ聞きし」

*愚管抄〔1220〕五・後白河「後夜方には算の音なりける、こゑすみてたうとかりける、など人沙汰しけり」

*太平記〔14C後〕二・師賢登山事「俄なる不思議出来ぬれば、人皆あはて騒で、天地も只今打返す様に、沙汰せぬ処も無りけり」

*中華若木詩抄〔1520頃〕中「京には、東坡こそ南方にて死したれと、沙汰するぞ」

*俳諧・談林十百韻〔1675〕下「何百年の辻堂の月〈正友〉 飛騨の工茲に沙汰してきりぎりす〈志計〉」

*浮世草子・傾城色三味線〔1701〕京・四「世間の人に、奢(おごり)のやうに沙汰せられんもむつかし」

(ニ)(他の語に付けて接尾語のように用いることもある)話題になっている事件。

*中右記‐大治二年〔1127〕三月六日「斎院卜定所自〓御本所〓〓当大将軍方〓、可〓〓避忌〓哉否事、〈略〉今度沙汰出来、猶可〓〓憚歟」

*役者論語〔1776〕賢外集「坂田藤十郎方、大いにはやり、七三郎甚不評判にて、よからぬさたのみすくなからず」

*其面影〔1906〕〈二葉亭四迷〉六五「世の情死(しんぢゅう)沙汰を聞く度に、寧ろ無残に思ふ哲也であるから」

方言

(1)訴訟。事件。さた青森県津軽075秋田県平鹿郡130山形県139

(2)知らせ。通知。便り。挨拶。さた青森県上北郡082山形県139144群馬県館林245長野県佐久493静岡県志太郡535滋賀県彦根609佐賀県東松浦郡038沖縄県首里993

(3)死亡の通知。さた神奈川県316319320

(4)うわさ。評判。さた島根県出雲728沖縄県993996

(5)大変なこと。困ったこと。さた青森県054074075

(6)大失敗。大しくじり。さた青森県津軽075

(7)分際を越えていること。僭越(せんえつ)。さた青森県三戸郡083

語源説

(1)沙(すな)を水で淘(ゆ)り、沙金をえりわける意が転じたもの〔大言海〕。

(2)定の義〔俚言集覧・名言通・俗語考・菊池俗言考〕。

(3)サトシ(諭)の語幹サトの転か〔国語の語根とその分類=大島正健〕。

発音

〓[タ][サ]〓平安〓〓江戸〓〓〓[サ]

辞書

色葉・文明・明応・天正・易林・日葡・書言・ヘボン・言海

正式名称と詳細

表記

沙汰色葉文明明応天正易林書言言海

砂汰ヘボン




小学館 全文全訳古語辞典

さ-た沙汰
最重要語

〔名詞・他動詞サ変〕

もとは、砂金や米を水で流して選別することの意。それが変化して、ある事物に対する判定、また、それに伴う対応・処置、の意になる。

評議。判定。特に訴訟・裁判を指すこともある。

「この歌も、衆議判(しゆぎはん)の時、よろしき由(よし)沙汰ありて」〈徒然草・14〉

この和歌も、衆議判の時、悪くない歌だという判定があって。

「衆議判」ハ、歌合ワセデ、参加者全員デ評議シテ判定ヲ下スコト。

処置。始末。

「同じくは、かの事沙汰しおきて」〈徒然草・59〉

同じことなら(=ドウセ出家スルノナラ)、あの事を処置しておいて。

❸手配。したく。

「倫言(りんげん)なれば、雑色(ざつしき)・牛・車きよげに沙汰して」〈平家・6・小督〉

天皇のご命令なので、下働きのお供や牛や車をきれいに支度して。

命令。教示。

「あへて罪科(ざいくわ)沙汰もなかりけり」〈平家・1・殿上闇討〉

全く処罰の命令もなかった。

❺音信。知らせ。

「『さらんには力なし』とて、その後(のち)沙汰もなかりしを」〈平家・4・競〉

「それでは仕方がない」と言って、その後音信もなかったのだが。

❻評判。うわさ。

「都の沙汰になりしに」〈西鶴・日本永代蔵・2・1〉

都の評判になったのだが。



国史大辞典

沙汰
さた
沙は砂、汰はえらび分ける意で、水の中で砂をゆすって、砂金などをえらび分けることから、転じて淘汰すること、精粗を区別すること、理非曲直を明らかにすること、裁断すること、物事を処理することなどきわめて多岐の意味に用いられる。中世においては、改沙汰(あらためざた)・無沙汰(ぶさた)・尋沙汰(たずねざた)・取沙汰(とりざた)・誡沙汰(いましめざた)・申沙汰(もうしざた)沙汰(さたしつく)沙汰(さたしすう)のように、「沙汰」という語の前後に付く動詞は続けて読まれる。鎌倉時代末期に成立した訴訟用語の解説書である『沙汰未練書』の「沙汰」は裁判・訴訟の意味であり、裁許状にしばしばみえる「任〓先例〓〓〓沙汰〓」の「沙汰」、沙汰雑掌・沙汰代官・沙汰未断・所務沙汰・検断沙汰などの「沙汰」もほぼ同じ判決・成敗・訴訟などの意味で使われている。判決を保留、または訴えを棄却する場合「非〓沙汰之限〓」という用語が用いられ、審理のやり直しの場合は改沙汰、尋問・糺明の場合は尋沙汰という。「停〓止地頭之沙汰〓」「不〓〓〓新儀沙汰〓」などの「沙汰」は職務の執行の意味であり、毎年正月に行われる幕府の政務始めのことを沙汰始、上の命令を受けて職務を執行する人のことを沙汰人という。「任〓親父之譲状〓、可〓〓沙汰〓」の「沙汰」は所領・所職の知行・領知の意味である。「年貢者無〓懈怠〓〓沙汰〓」の「沙汰」は年貢の徴収・納入の意味であり、年貢を無沙汰しているといった場合は年貢未進のことである。また荘園において年貢を収納する人のことを沙汰人と呼ぶ。「於〓少分〓者早速可〓〓沙汰〓、至〓于過分〓者、三ヶ年中可〓弁済〓」の「沙汰」は弁償・支払の意味である。「於〓恩賞〓者、追可〓〓沙汰〓」の「沙汰」は決定・命令・政治的処理などの意味である。「件所領者、依〓相伝之由緒〓、所〓〓沙汰〓也」の「沙汰」は所領の支配・進止・進退領掌の意味である。所領・所職を沙汰付・沙汰居といった場合は、所領・所職を給付する・引き渡す・補任するの意味である。「世上の取沙汰」の「沙汰」は評判・噂の意味である。「今度沙汰出来、猶可〓〓憚歟」の「沙汰」は問題・事件の意味である。このほか評定・興行・催し・調査・報告・披露・音信・通知などを意味する場合もある。このように中世における「沙汰」は種々さまざまな意味に使用されており、前後の文脈との関係で「沙汰」の意味を判断する必要がある。その中にあって中世の「沙汰」の使用例の大半は、裁判、判決、命令、職務の処理、土地の支配、年貢の納入などの意味で使われていることがわかる。近世以降では中世における意味を引き継ぎながらも、「御沙汰書」などの使用例にみられるように、上からの命令・達しなどの意味で用いられていることが多い。
(瀬野 精一郎)
上記は、日本最大級のオンライン辞書・事典・叢書サービス「ジャパンナレッジ」のサンプル記事です。

ジャパンナレッジは、自分だけの専用図書館。
すべての辞書・事典・叢書が一括検索できるので、調査時間が大幅に短縮され、なおかつ充実した検索機能により、紙の辞書ではたどり着けなかった思わぬ発見も。
パソコン・タブレット・スマホからご利用できます。


沙汰の関連キーワードで検索すると・・・
検索ヒット数 11103
※検索結果は本ページの作成時点のものであり、実際の検索結果とは異なる場合があります
検索コンテンツ
1. 沙汰
日本大百科全書
すこし意味が広がって「評議する」「議論する」ことも沙汰といわれた。次には訴訟や評議の結論を執行すること、たとえば勝訴者に係争地を引き渡すことを「沙汰し付ける」「 ...
2. 沙汰
世界大百科事典
(1)権力者が政務を執ること(世の沙汰をする)。(2)土地の支配・領有に関して,(a)土地を知行する(所を沙汰する,庄務を沙汰する)。(b)年貢などを徴収または ...
3. さ‐た【沙汰】
デジタル大辞泉
[名](スル)《「沙」は砂、「汰」はより分ける意》 1 物事を処理すること。特に、物事の善悪・是非などを論じ定めること。裁定。また、裁決・裁判。「地獄の―も金次 ...
4. さ‐た【沙汰】
日本国語大辞典
語集〔1120頃か〕一六・七「若狭の国に可沙汰(さたすべ)き事有て行く也けり」*平家物語〔13C前〕三・行隆之沙汰「今は出仕し給へ。官途の事も申し沙汰仕るべし」 ...
5. さた【沙汰】
国史大辞典
中世においては、改沙汰(あらためざた)・無沙汰(ぶさた)・尋沙汰(たずねざた)・取沙汰(とりざた)・誡沙汰(いましめざた)・申沙汰(もうしざた)・沙汰付(さたし ...
6. さた【沙汰】
プログレッシブ和英
〔事件〕an affair それは正気の沙汰ではないIt's an act of madness. 刃傷沙汰に及んだIt led to bloodshed. 裁 ...
7. さた【沙汰】[方言]
日本方言大辞典
ける、こゑすみてたうとかりける、など人沙汰しけり」(4)訴訟。事件。 青森県津軽「ようしいじぇげのわげで(用水堰のことで)さだおぎでらんたでぁ(裁判沙汰が起きて ...
8. さた【沙汰】[標準語索引]
日本方言大辞典
さんでーなんのさた:沙汰もない(なに(何))なん ともない ...
9. さた【沙汰】[標準語索引]
日本方言大辞典
さんでーなんのさた:沙汰もない(なに(何))なん ともない ...
10. sata 【沙汰】
Encyclopedia of Japan
Word used chiefly in premodern times with a wide range of meanings (judgment, pr ...
11. 사태2沙汰
ポケプロ韓日
[名詞]地滑り,雪崩,山崩れ;人・物などがたくさんあふれ出ること. 눈~ 雪崩 산~ 山崩れ 거리에 쏟아져 나온 사람 ~ 街に繰り出して来た人の波.  ...
12. さた‐がい[:グヮイ]【沙汰外】
日本国語大辞典
〔名〕(形動)もってのほかのこと。また、そのさま。言語道断。さたのほか。*日葡辞書〔1603〜04〕「Sataguai (サタグヮイ)。すなわち、サタノ ホカ〈 ...
13. さた‐がま〓し【沙汰─】
日本国語大辞典
しかりなん。ただ音なくこそ」*梵燈庵主返答書〔1417〕下「連歌一座の間は他念なかるべき処に、沙汰かましく成て、或は瞋素をおこし、或は百韻終ざるさきに退散す。道 ...
14. さた‐ぎき【沙汰聞】
日本国語大辞典
〔名〕人々のうわさ。評判。*宇津保物語〔970〜999頃〕蔵開下「容貌(かたち)のみやは。よろづの事をこそは。さたぎきはさもや」 ...
15. さた‐ごのみ【沙汰好】
日本国語大辞典
〔名〕人と争って裁判沙汰にもちこむことを好むこと。また、そのような性格。*土井本周易抄〔1477〕一「常住訟をして、沙汰好(コノ)みをせば、わるからうぞ」*御伽 ...
16. さた‐ざっしょう[:ザッシャウ]【沙汰雑掌】
日本国語大辞典
〓沙汰雑掌〓也」 ...
17. さた‐しげ【沙汰繁】
日本国語大辞典
〔名〕(形動)進んで物事をすること。いろいろと物事に興味を持っていること。また、そのさま。*梁塵秘抄口伝集〔12C後〕一〇「花山院中納言兼雅、元、歌は殊の外にさ ...
18. さたし‐つけ【沙汰付】
日本国語大辞典
沙汰〓、為〓沙汰付 ...
19. さた‐しょ【沙汰書】
日本国語大辞典
〔名〕政務処理の内容を記した文書。*阿部一族〔1913〕〈森鴎外〉「松平伊豆守、阿部豊後守、阿部対馬守の連名の沙汰書(サタショ)を作らせ」 ...
20. さたじあと【沙汰寺跡】宮崎県:宮崎市/下北方村
日本歴史地名大系
)閏正月九日条によると、前日和知川原の斎藤讃岐丞宅に泊まった覚兼は朝食をとりながら歓談した後、沙汰寺に年頭の礼を述べに訪れており、一一日にはその返礼として当寺僧 ...
21. さた‐だいかん[:ダイクヮン]【沙汰代官】
日本国語大辞典
〔名〕中世、訴訟事務に関して正員を代理する者。*沙汰未練書〔14C初〕「雑掌とは本所沙汰代官也」 ...
22. さた‐だ〓し【沙汰】
日本国語大辞典
〔形シク〕うわさになるさまである。評判になるほどである。*愚管抄〔1220〕四・後白河「いたくさただしく御あそびなどありとて」 ...
23. さた‐どころ【沙汰所】
デジタル大辞泉
中世、裁判をつかさどった所。評定所(ひょうじょうしょ)。  ...
24. さた‐どころ【沙汰所】
日本国語大辞典
〔名〕武家時代、幕府や大名家において裁判をつかさどった役所。評定所。沙汰場(さたば)。*梵舜本沙石集〔1283〕七・七「彼れは六道惣の沙汰所、炎魔王界にて、倶生 ...
25. さた‐ない【沙汰無】
日本国語大辞典
〔連語〕(1)困ったことだ。しかたがない。どうしようもない。《さたない》山形県139 福島県両沼173 《さたあない》山形県139 149 福島県大沼郡175  ...
26. さた‐なし【沙汰無し】
デジタル大辞泉
取り立てて問題にしないこと。不問に付すこと。「―に済ます」 2 便りや訪れのないこと。また、そのさま。無沙汰。「このところ、とんと―だ」 3 他に知らせないこと ...
27. さた‐なし【沙汰無】
日本国語大辞典
めのりを、さう無闇沙汰なしに、お前に使はれてたまるものか」(5)おとずれのないこと。便りのないこと。無沙汰。*人情本・鶯塚千代の初声〔1856〕初・四回「一向( ...
28. さた に 入(い)る
日本国語大辞典
定まりになっている。*打聞集〔1134頃〕老者移他国事「いにしへより、此国には七十に余ば他国に流つかはす事沙汰に入れる事也」 ...
29. 沙汰人
日本大百科全書
沙汰とは、裁判その他の諸事務にあたり、その命令、執行に携わることをいう。中世では役所の雑掌(ざっしょう)、寺院集会(しゅうえ)の代表者をはじめ、当該事務を管轄し ...
30. 沙汰人
世界大百科事典
地下故実〉の者たるによって沙汰人に任命された。そして若狭国太良荘では〈沙汰人職〉があった。これらの沙汰人は荘官に準じ,年貢の収納等の荘務に当たる側面と,〈当村古 ...
31. さた‐にん【沙汰人】
デジタル大辞泉
1 中世・近世、官の命令を執行した者。 2 中世、荘園領主の命令を伝えたり、年貢の徴収などをつかさどったりした下級荘官。有力名主(みょうしゅ)がこれにあたり、惣 ...
32. さた‐にん【沙汰人】
日本国語大辞典
御書於彼所沙汰人等中〓」*平治物語〔1220頃か〕中・義朝青墓に落ち着く事「落人にやあるらん、いざとどめんとて、沙汰人あまた出で ...
33. さたにん【沙汰人】
国史大辞典
沙汰とは中世では、裁判、官府の命令、物事の処理、土地の知行、貢納等々多様な意味に用いられている。これらの沙汰を実際に執行する者を広く沙汰人とよんでいる。具体的 ...
34. さた の 限(かぎ)り
日本国語大辞典
沙汰之限〓」*塵袋〔1264〜88頃〕四「下品不浄のものの名沙汰のかぎりにあらねども」*正徹物語〔 ...
35. 沙汰(さた)の限り
デジタル大辞泉
1 是非を論じる範囲をこえていること。論外。また、言語道断。もってのほか。「あんな男をリーダーに据えるとは―だ」「―を尽くす」 2 理非・善悪の問題となる範囲。 ...
36. さた の 外(ほか)
日本国語大辞典
。但沙汰之外也」*源平盛衰記〔14C前〕二〇・石橋合戦事「源氏は朝敵と成り給ひて後は、我が身一人の置き所なし。家人の恩までは沙汰(サタ)の外(ホカ)也」*風姿花 ...
37. 沙汰(さた)の外(ほか)
デジタル大辞泉
沙汰の限り1」に同じ。 「朝敵となり給ひて後は、我が身一人の置き所なし。家人の恩までは―なり」〈盛衰記・二〇〉 ...
38. 沙汰始
世界大百科事典
れることが多かった。沙汰とは裁判,命令を意味することばであるが,室町中期の記録には,御前御沙汰始,室町殿(将軍)御沙汰始,幕府沙汰始,侍所沙汰始,小侍所沙汰始, ...
39. さた‐はじめ【沙汰始】
日本国語大辞典
頓(やが)て政務執行の沙汰始あり」*花営三代記‐応安元年〔1368〕四月一〇日「侍所沙汰始、頭人〈今川中書〉宿所」*花営三代記‐応安五年〔1372〕正月二三日「 ...
40. さた は 無(な)い事(こと)
日本国語大辞典
葬礼の戻り」(2)何でもないこと。*咄本・軽口露がはなし〔1691〕四・八「もうし、何れも様、沙汰はなひ事、此私が手は舟によく似ませぬか」 ...
41. さた‐ば【沙汰場】
日本国語大辞典
〔名〕「さたどころ(沙汰所)」に同じ。*甲州法度之次第(二六箇条本)〔1547〕二条「公事出〓沙汰場 ...
42. さた‐みだん【沙汰未断】
日本国語大辞典
と。*高野山文書‐弘安元年〔1278〕八月日・高野山衆徒契状請文(大日本古文書二・六八二)「又沙汰未断之間、不〓一同 ...
43. 沙汰未練書(さたみれんがき)
古事類苑
法律部 洋巻 第1巻 677ページ ...
44. 沙汰未練書
日本大百科全書
14世紀初頭に鎌倉幕府官僚が著したと推定される、沙汰の手続・用語・文書例の手引書。沙汰とは、判断すること、処理することで、ここではとりわけ、諸人の訴に対して判断 ...
45.&nbnbsp;沙汰未練書
世界大百科事典
鎌倉時代に用いられた基本的な法律用語を説明・解釈し,訴訟文書の文例を挙げた武家側の法律書。書名は訴訟(沙汰)に不慣れ(未練)な者のための手引書の意。1278年( ...
46. さたみれんしょ【沙汰未練書】
国史大辞典
鎌倉幕府で用いられた基本的な法律用語を簡明に解釈説明して、訴訟文書の文例を挙げた法律書。書名は沙汰(主に訴訟手続)に未練の輩(習熟しない者)のための手引きの意。 ...
47. さた‐もの【沙汰者】
日本国語大辞典
〔名〕「さたにん(沙汰人)」に同じ。*高野山文書‐久安四年〔1148〕八月五日・御室御所高野山御参籠日記(大日本古文書四・二〇〇)「辰刻乗船、於 ...
48. さた‐やみ【沙汰止み】
デジタル大辞泉
命令や計画などが中止になること。おながれ。「道路拡張計画が―になる」  ...
49. さた‐やみ【沙汰止】
日本国語大辞典
央視学官は来月早々各受持区へ出張し、地方視学官廃止の沙汰止みとなりたる旨伝達する筈」*妾の半生涯〔1904〕〈福田英子〉一「此の縁談は沙汰止(サタヤ)みとなりに ...
50. さたやみ【沙汰止み】
プログレッシブ和英
旅行の話は沙汰止みになったOur plans for a trip were abandoned [given up]. ...
「沙汰」の情報だけではなく、「沙汰」に関するさまざまな情報も同時に調べることができるため、幅広い視点から知ることができます。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶

沙汰と同じ昔の暮らし・仕事カテゴリの記事
沙汰(日本国語大辞典・全文全訳古語辞典・国史大辞典)
焼いた薩摩芋。《季・冬》*評判記・秘伝書〔1655頃〕下ほんの事「やきぐり、やきいもは、いきくさくなる也」*俳諧・骨書〔1787〕上「朝の月狩の竹鑓手束弓〈青蘿〉 来かかるものが焼芋を喰ふ〈樗良〉」
ちゃく‐なん【嫡男】(日本国語大辞典)
正妻の生んだ最初の男子。嫡出の長男。嫡子。*今昔物語集〔1120頃か〕二〇・三三「此の一の衣をば我が嫡男也汝に与ふ」*吾妻鏡‐治承四年〔1180〕八月一〇日「秀義以〓嫡男佐々木太郎定綱〓〈略〉申〓送武衛〓」
湯屋(日本大百科全書(ニッポニカ))
もと寺院には浴堂というものがあり、そのほかに大衆用の潔斎浴場として別に設けた建物があって、これを大湯屋と称した。沐浴には、湯気で身体を蒸す蒸し風呂形式と、温湯に身体を浸す行水形式があった。寺院では僧尼の潔斎のため、釜湯を別の湯槽に入れて行水することも早くから行われたが
江戸っ子(改訂新版・世界大百科事典)
都市江戸で生まれ育った,きっすいの江戸の人の意。根生いの江戸住民であることを自負・強調する際に多く用いられた。それも武士ではなく,おもに町人の場合である。江戸っ子は,物事にこだわらず金ばなれがよく,意地と張りを本領とし正義感が強かったが,反面,けんかっ早くて軽率だといわれた。
飛脚(国史大辞典・日本国語大辞典・日本大百科全書)
速く走る者、手紙を運ぶ者のことをいう。古代の駅制では飛駅使(ひやくし)がこれにあたる。飛脚の語は平安時代末期ごろ現われ、中世以降頻出する。〔古代〕律令国家は太政官と国司との連絡に駅馬(えきば)、国府と郡司の連絡に伝馬(てんま)を使用した。急を要する
昔の暮らし・仕事と同じカテゴリの記事をもっと見る


「沙汰」は日本の歴史に関連のある記事です。
その他の日本の歴史に関連する記事
長篠の戦(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
天正三年(一五七五)五月二十一日織田信長・徳川家康連合軍が武田勝頼の軍を三河国設楽原(したらがはら、愛知県新城(しんしろ)市)で破った合戦。天正元年四月武田信玄が没し武田軍の上洛遠征が中断されると、徳川家康は再び北三河の奪回を図り、七月二十一日長篠城
姉川の戦(国史大辞典・日本大百科全書・世界大百科事典)
元亀元年(一五七〇)六月二十八日(新暦八月十日)、現在の滋賀県東浅井郡浅井町野村・三田付近の姉川河原において、織田信長・徳川家康連合軍が浅井長政・朝倉景健連合軍を撃破した戦い。織田信長は永禄の末年(永禄二年(一五五九)・同七年・同八―十年ごろという
平成(国史大辞典)
現在の天皇の年号(一九八九―)。昭和六十四年一月七日天皇(昭和天皇)の崩御、皇太子明仁親王の皇位継承に伴い、元号法の規定により元号(年号)を平成と改める政令が公布され、翌一月八日より施行された。これは、日本国憲法のもとでの最初の改元であった。出典は
河原者(新版 歌舞伎事典・国史大辞典・日本国語大辞典)
江戸時代に、歌舞伎役者や大道芸人・旅芸人などを社会的に卑しめて呼んだ称。河原乞食ともいった。元来、河原者とは、中世に河原に居住した人たちに対して名づけた称である。河川沿岸地帯は、原則として非課税の土地だったので、天災・戦乱・苛斂誅求などによって荘園を
平安京(国史大辞典・日本歴史地名大系・日本大百科全書)
延暦十三年(七九四)に奠(さだ)められた日本の首都。形式的に、それは明治二年(一八六九)の東京遷都まで首府であり続けたが、律令制的な宮都として繁栄したのは、承久二年(一二二〇)ころまでであって、その時代から京都という名称が平安京の語に替わってもっぱら
日本の歴史に関連する記事をもっと見る


ジャパンナレッジは約1900冊以上(総額850万円)の膨大な辞書・事典などが使い放題の「日本最大級のインターネット辞書・事典・叢書サイト」です。日本国内のみならず、海外の有名大学から図書館まで、多くの機関で利用されています。
ジャパンナレッジの利用料金や収録辞事典について詳しく見る▶