字通【同訓異字】

ところ
  所(〓 処(處)  〓   党(黨) 
「ところ」は「床」「底」と同源の語。特定の、神聖な、究極の場所の意がある。土は〓(社)の初文。卜文に土に〓(かんちよう)する形の字がある。方は架屍(かし)の象、それぞれの方位を祀る儀礼があった。神の祀所を求めることを〓という。〓は神棚の戸を閉ざす意、斤(斧)は閉ざすことを示す呪器。神棚の戸を啓くときには戈を用いた。〓(啓)・〓(肇)の初文は、〓に従う形に作る。処の旧字は處、虎形のものが几(き)に居る形。虎形のものは戲(戯)・劇の従うところと同じく、軍神の象。〓shia、處thjiaはその声義が近い。攸・〓jiuは同声。攸は禊(みそぎ)で身を「滌(あら)う」、〓(ゆう)は酒器の〓を傾けて〓鬯する意。ともに「もちふる」という訓があり、その礼を用いるとき・ところの意となる。以ji〓、用jiongとも関係のある語である。地の初文は〓(墜)(ち)で、〓(ふ)は神梯。神霊の降下するところに犠牲をおき、土神を祀る。地はのちの形声の字。壇(だん)は祭壇。党の旧字は黨。〓(尚。窓)と〓(黒。竈突)とに従い、〓は神を迎える窓。氏族の共同聖〓を示し、その聖〓に与るものをいう。