字通【同訓異字】

まつ
          
伺は司(し)声。司は祝詞をあける形。そこに示される神意を伺う意。覗(し)もその意の字であった。佇・竚は〓(ちよ)声。〓は宝物や兵器を貯蔵する器の形。留めおく意があり、停滞・留滞の意となり、待つ意となる。俟・竢は矣(い)声。矣は厶(し)(耒(すき))と矢とで祓い清める。その儀礼を終えて農耕に入るので、俟(ま)つ意となる。恃・待は寺(じ)声。寺に保持する意があり、心に恃(たの)みとして待つ意。候はもと候禳(こうじよう)、矢を放って儀礼の場所などを禳う意。伺候のように用い、神意を伺い候つことをいう。須・需sioは同声。須は鬚(しゆ)の初文であるから、「まつ」意は需(じゆ)と通用の義。需は雨と而(じ)。而は〓頭の巫の形で、雨乞いをする。雨を求めまつ意である。

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